運行管理者になるためには、3つの方法があります。実務経験なしの場合と実務経験がある場合を解説します。
実務経験がない方でも、「基礎講習」の受講し、運行管理者試験に合格することで運行管理者としての資格を取得することが可能です。
また、実務経験が1年以上ある方は、勤務先から実務経験を証明してもら運行管理者試験に合格することで運行管理者となることができます。
さらに、実務経験が5年以上あり、講習を5回受けている場合には、試験を受けずに資格を得る道もあります。
それぞれの方法について詳しく解説します。
- 運行管理者になるための基礎講習の重要性とその内容
- 実務経験がない場合でも運行管理者となる方法
- 実務経験1年以上ある場合の運行管理者となる方法
- 実務経験5年と講習5回を満たすことで試験免除で運行管理者になる方法
運行管理者は実務経験なしでもなれる?未経験と経験ありの場合の取り方を解説!
運行管理者になる方法は次の3つです。
①実務経験なしの場合は、基礎講習を受講し、運行管理者試験に合格する
②実務経験が1年以上ある場合は、実務経験の証明と運行管理者試験に合格する
③運行管理者試験を受けずに運行管理者になるには実務経験5年と講習5回でなれる
実務経験なしの場合と実務経験ありの場合に分けて詳しく解説します。
①実務経験なしの場合は、基礎講習を受講し、運行管理者試験に合格する
運行管理者は実務経験なしの場合でも取得できます。
まず、実務経験がない場合、基礎講習を受講することが最初のステップになります。
この講習では、運行管理者として必要な基本的な知識やスキルが学べます。
例えば、道路交通法や労働基準法、そして安全運転の管理方法など、運行管理者が業務を遂行する上で欠かせない内容が網羅されています。
基礎講習を受講した後、次は運行管理者試験に挑戦します。
この試験は、運行管理者としての専門知識と能力を評価するもので、合格することが資格取得のためには必須です。例年3月と8月に試験がおこなわれます。
ただし、試験の内容は決して簡単ではありません。
そのため、試験に臨むには、基礎講習で学んだ知識をしっかりと復習し、さらには実際の業務で遭遇する可能性のあるケーススタディを通じて応用力を養うことが重要です。
なお、注意点として、基礎講習を受講し、試験に合格したからといってすぐに運行管理者として活動できるわけではありません。
資格取得後も定期的な研修や講習が必要であり、これらを通じて最新の法改正情報や安全運転に関する新しい知識を常に更新し続ける必要があります。
つまり、運行管理者として活動するためには、資格取得後も継続的な学習と自己啓発が求められるのです。
基礎講習の概要は下記から確認いただけます。
独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA:National Agency for Automotive Safety & Victims’ Aid)
②実務経験が1年以上ある場合は、実務経験の証明と運行管理者試験に合格する
実務経験が1年以上ある方が運行管理者になるための方法を解説します。
この場合、まず必要なのは、実務経験の証明です。
実務経験の証明とは、運行管理に関連する仕事に1年以上従事していたことの証明が必要となります。
実務経験の内容は、運送業務のスケジューリングやドライバーの管理、安全対策の立案など、運行管理者としての業務に直接関わる経験が必要とされます。
実務経験の証明ができたら、次は運行管理者試験に挑むことになります。
前述の通り、この試験は運行管理者として必要な知識や判断力を測るためのものであり、合格することが資格を得るために必須です。
実務経験がある方は、実際の業務で得た知識やスキルを試験に活かすことができるでしょう。
しかし、経験があっても油断は禁物です。試験範囲は広く、最新の法令や安全運転に関する知識も問われるため、試験対策として十分な復習と学習が必要になります。
③運行管理者試験を受けずに運行管理者になる方法/実務経験5年と講習5回でなれる
運行管理者になるための一般的な道としては、資格試験の合格が必須とされていますが、実は試験を受けずに資格を得る方法も存在します。
この方法は、特定の条件を満たすことにより、運行管理者として認定されるルートです。
主に、実務経験が5年以上あること、そして運行管理に関する講習を5回受講していることが条件となります。
実務経験が5年以上というのは、運送業における運行管理に関連する業務に直接携わった期間を指します。
この経験を通じて、運行管理者として必要な知識やスキルを実務上で習得していることが前提となります。
例えば、ドライバーのシフト管理、安全管理、車両管理など、運行管理に直結する業務に従事してきた実績が必要です。
また、講習5回の受講というのは、運行管理者やその補助者を対象としたの講習会に参加することを意味します。
これらの講習では、運行管理者としての基本的な法令知識、安全管理、事故防止策など、専門的な内容が教えられます。特に、これらの講習は定期的に最新の情報が提供されるため、業界の動向や法改正に迅速に対応する知識を身につけることができます。
ただし、このルートで運行管理者の資格を得るには、注意点があります。
講習を受けただけでは不十分で、その知識を実務に生かす能力が問われるため、日頃から業務においても安全管理や法令遵守に努めることが必須です。
また、受講した講習は1年に1回しかカウントされないため、計画的に受講する必要があります。
このように、試験を受けずに運行管理者となる道は、実務経験と継続教育を通じて専門性を高め、実際の運送業務に深い理解と責任感を持って取り組むことが求められる方法です。
運送業において重要な役割を担う運行管理者になるためには、これらの条件を満たすことが一つの大きなステップとなるでしょう。
運行管理者は実務経験なしでもなれる?に関連する疑問を解説!
運行管理者は実務経験なしでもなれる?に関連する疑問として次の疑問について解説します。
・運行管理者の基礎講習とは何?基礎講習の受講方法や受講にかかる時間を解説!
・運行管理者の実務経験はドライバーの経験でもよいか?
・運行管理者の実務経験の証明はどのように証明する?
・運行管理者の無試験は廃止された?
運行管理者の基礎講習とは何?基礎講習の受講方法や受講にかかる時間を解説!
運行管理者の基礎講習とは、運行管理者を目指す方や運行管理の補助者が受けるべき初歩的な研修プログラムのことです。
この講習では、運行管理者が業務を遂行する上で必要とされる法令知識、安全管理、事故防止策などについて学びます。つまり、運送業における安全運転の促進と法令遵守を目的としているわけです。
受講方法に関しては、通常、独立行政法人や認定機関が主催する講習会に参加する形を取ります。
申し込みは、主催機関のウェブサイトから直接行うか、郵送で必要書類を送る方法が一般的です。
講習会は年に複数回開催されていることが多いため、自分のスケジュールに合わせて受講計画を立てることが可能です。
講習にかかる時間は、概ね3日間に渡って行われ、合計で約16時間の講義となります。
この時間の中で、道路運送法や労働基準法などの適用される法律、運行管理の基本的な知識、安全運転に対する指導方法などが網羅的に扱われます。
最終日には修了試験があり、これに合格することで基礎講習の修了証が授与されます。
受講費用については、講習によって多少の違いはありますが、一般的には数千円から1万円程度を想定しておくと良いでしょう。
受講費用は、講習会の開催場所や内容によって異なるため、事前に主催機関の案内を確認することが重要です。
運行管理者の実務経験はドライバーの経験でもよいか?
運行管理者としての資格を得るためには、実務経験が必要なる方法がありますが、多くの方が疑問に思うのが、ドライバーとしての経験が運行管理者の実務経験として認められるかどうかです。
答えを先に述べると、ドライバーの経験自体は、運行管理者の資格を取得するための直接的な実務経験とはみなされません。
運行管理者の役割は、ドライバーの勤務管理、安全管理、運行計画の立案など、運送業務全体の安全かつ効率的な運営を確保することにあります。
つまり、ドライバーとしての業務経験は貴重であり、現場の理解には不可欠ですが、運行管理者として必要とされる管理や計画、法令遵守などの知識やスキルとは異なるため、実務経験として直接カウントされないのです。
ただし、ドライバーとして働きながら、運行管理に関わる補助業務に従事した経験は、実務経験として認められます。
例えば、点呼をおこなうなどの運行管理者の補助者としても勤務していた場合は、実務経験としてカウント可能です。
ドライバーとしての経験だけでは運行管理者の資格取得のための実務経験としては不十分ですが、ドライバー業務の中で運行管理に関連する補助業務に携わった経験は、勤務先の証明を得ることができれば、実務経験として有効になる可能性が高いです。
運行管理者の実務経験の証明はどのように証明する?
運行管理者試験の申込画面のなかに、「実務経験1年以上」を選択する項目があります。
その際に、実務経験を証明する(勤務先)方=実務経験承認者の名前とメールアドレス等の記載をします。
申し込み後、実務経験承認者へメールが送信され、承認されると実務経験の証明書となります。
承認されないと受験資格がないことになり、受験できません。
運行管理者の無試験は廃止された?旅客(貸切)は試験合格が必要です
運行管理者の資格取得方法について、特に旅客運送業界(貸切)で働く方々にとって重要な変更がありました。
それは、運行管理者の無試験での資格取得が廃止され、現在は試験合格が必須となっている点です。
この変更は、運行管理者の資格基準をさらに厳格にすることで、安全性を高めることを目的としています。
過去には、特定の条件を満たすことで試験を免除され、無試験で運行管理者の資格を取得することが可能でした。
具体的には、5年の実務経験と5回の講習を受講することで資格を得られるケースがありました。
しかし、運送業界における安全基準の向上と資格者の質の確保のため、この制度は見直されました。
現在では、旅客運送業界(貸切)で運行管理者として活動するためには、専門知識を問う試験に合格する必要があります。
試験は、運行管理に必要な法令知識、安全管理、運送業務の効率化など、幅広い範囲から出題されます。
これにより、運行管理者として活動するために必要な基本的な知識と能力を有していることが保証されるわけです。
運行管理者は実務経験なしでもなれる?に関するまとめ
- 運行管理者は実務経験なしでもなれる
- 実務経験なしの場合、基礎講習を受講することが第一歩
- 基礎講習では運行管理に必要な基本知識が学べる
- 運行管理者試験の合格が資格取得のために必須
- 試験は例年3月と8月に実施される
- 試験内容は法令知識や安全運転管理方法など
- 試験対策として基礎講習で学んだ知識の復習が重要
- 資格取得後も定期的な研修や講習が必要
- 実務経験1年以上ある場合は、その証明が求められる
- 実務経験5年と講習5回で試験免除のルートもある
- ドライバー経験は直接の実務経験としてはカウントされない
- 運行管理者の無試験資格取得は廃止された
- 旅客運送業界では試験合格が必須となっている
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